ワガコト。

職業、理学療法士。日々感じたことや疑問に思ったことを書き記していきます。

宇宙人「人間ってなに??」 なんて答える??

もしこれから宇宙人が地球に来て、

「地球人てどんな生き物なの?他の生き物との違いってなに??」

と聞かれたとき、なんと答えるでしょうか?

種としての特徴ではなく、あくまで個としての人間を見たときです。

火を扱う?言葉を話す?会話をする?道具を使う?服を着る?調理をする?死者を慈しむ?歌を歌う?二本足で歩く?

それが正しいか正しくないかは一旦おいておいて…いろんな答えがでてくるかと思います。

寝たきり認知症の人のとこに連れて行ったら…??

さぁ、いよいよ宇宙人がやってきて、やってきて僕らを見たとき、

「あなたのいう通りだ」

と言ったとしましょう。

そしてあなたは病院へ宇宙人を連れて行き、そこには寝たきりの認知症のおばあちゃんがいました。

その人は会話はできないし、火も使えない、介助がなければ服も着ないし歩くことできない…

宇宙人はいいます。

「この人は人間??」

この問いになんと答えるでしょうか?

「この人は昔は自分の足で歩いていたし、ちゃんと会話もできていたし、子供だっているんだよ。だから人間だよ。」

宇宙人「そっか。昔は人間だったんだね。じゃぁ今はどうなの?

病院で働いていた時、ふと看護師さんが言った言葉

以前脳卒中急性期病院で働いていた時に、看護師さんが患者さんたちをみて言った言葉をよく覚えています。

「まるで動物園みたい・・・」

この言葉を聞いた時、僕もその言葉を否定することができませんでした。

ここには僕が今まで接し、見てきた”人間”はいない。

この人たちは人間じゃないんだろうか・・・??

さっきの問い、あなたならなんと答えますか?

僕の考え

どうやら人間ってあるものでなく、なるもので、 人間を人間たらしめるのは他者なのかもしれないなと思いました。

その人自身がたとえしゃべれなかろうが、服を着れなかろうが、トイレに行くことができなかろうが、 周りの人が人間として接すればその人は人間になるんじゃないか。

大戦中ドイツの捕虜収容所でフランス兵のあるグループが、 ]周りのグループの人たちが衰弱したり、病死したり、自殺したりしてしまう中、ある方法で全員が正気を保って祖国の地を踏むことができた という話があります。

その方法は、独房のある一席に少女が座っていると仮定して生活を送ったというものでした。( ゚Д゚)

おそらく、非人道的な扱いを受けていたであろう環境下で、この架空の少女こそが彼らを人間たらしめたのではないか そんな話を思い出しました。

はじめまして!!

自己紹介

こんにちは!ぜんです!!

福井出身、そこから長野へ行き、そして現在京都の病院で理学療法士として働き4年になります。

何らかのハンディキャップを負った高齢者のご自宅に訪問する訪問リハビリも、少しですが経験しました。

突然ですが”理学療法士”ってご存知ですか???

最近は知っているって人も増えてきたように感じます。

リハビリの先生といった方が分かりやすいかもしれません。

理学療法士はいろんなところでお仕事していますが、僕はその中でも主に脳出血とか脳梗塞になって、半身が動かなくなって歩けなくなったり、うまくしゃべれなうなったりしたおじいちゃん、おばあちゃんに理学療法をしています。

具体的には、入院したその翌日にはベッドからたたき起こし、がんがん運動させるって感じです。

もちろんリスクもろもろみながらですが…(^^;

ブログに何を書いていくの?

理学療法士になり、まだたった3年と少しですが、たくさんの人(ほとんどが高齢者)に理学療法を提供してきました。

その中で僕が感じたのは、理学療法を提供したその先には一体何があるのだろう?ということです。

例えば脳卒中で半身麻痺になった人がいるとします。

現在重度の半身麻痺は完全に治るものではありません。

いくらリハビリを頑張っても、残念ながら障害は残ってしまいます。

僕たち理学療法士にできることは、その人の持ちうる残存機能をなるべく引き出し、また周りの環境をその人の能力にできるだけ適応させることです。

当然ですが、そこには何らかの目標が必要になります。

例えば

  • どこどこまで買い物に行けるようになりたい

  • 家族と旅行に行きたい

  • せめてトイレは自分で行けるように

  • 趣味の~がしたい

などなど… それらを叶えるために僕たち理学療法士理学療法を通じて、歩くことができるように、歩けないなら他にその人が移動できるような手段を考えたりしていきます。

じゃぁ実際の現場はどうなのか??

上記の通り僕は、理学療法は何かその人がやりたいことを叶えるための一手段であったらいいなぁと思っています。

しかし、実際に現場で理学療法を提供していると、こんな風に理学療法を提供できている人達ばかりではありません。

これはもちろんこっち側の問題ももちろんあるのですが…(-_-;)

  • リハビリすること自体が目的になって、僕たちとしゃべることを楽しみにしている一人暮らしのおばあちゃん

  • 「早く死にたい」と言っているおばあちゃん

  • 「毎日テレビ見てすごしてるよー。何にも楽しい番組ないねー。」と話すおじいちゃん

  • 一人で寝がえりもうてず、口からご飯を食べられないからお腹に穴が開きそこから直接ご飯が入っていて、認知症も重度で何をしゃべっているかわからず、ずーっとベッドで横になっているおじいちゃん

もちろんもっとポジティブな人達もいますが、その人達とおなじぐらい、もしかしたらそれ以上に上に書いたような人達をみてきました。

  • もう近い将来、僕の親が年老いたときこんな風に過ごして欲しいだろう?

  • いずれ僕が年老いたとき、こんな風に過ごしたいか?

  • そして今、僕がおじいちゃん・おばあちゃんに理学療法を提供するとき、その先には一体何があるのだろう?

そんなことを思いながら、僕が「おっ!!」と思ったことや、「う~ん」と感じたことなどなど、書いていく場にしようかな~と思っています。

まぁでも結局は自分の書きたいことを書いていくことになると思います(^^;

最後に!この題名って…

このブログ名を見て、

「あっ!これって~のパクリじゃん!!」

と思った方。(このブログを読んでくれている人がいればですが(^^;)

おっしゃる通りです。

リリー・フランキーさんの「東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~」から頂いてきました。

僕の大好きな本の一つです。

オカンとボク、そして時々登場するオトンとの、ボクの幼少から今までを記した本です。

これまでの僕と父母との関係、そしてこれからの父母との関係について考えさせられました。

母に、そして父にどんな老後を送ってほしいだろうか? そこに自分はどう関わるのだろうか?

そんなことを考えるきっかけになった本でした。

読んでいない方、ちょっと興味があるという方、よかったらぜひ手に取ってみてください。

長くなりましたが、これからどうぞよろしくお願いいたします。